ニクトウツワ 第一章 第1話 長崎の朝は、煙から始まる。 炭に火をつける音。 じわりと広がる熱。 その瞬間だけは、時間が少し止まる気がした。 ニクトウツワを始めたのは、特別な理由からじゃない。 ただ、自分が「本当においしい」と思えるものを、 誰かと一緒に食べたかった。 それだけだった。 最初の店は小さかった。テーブルが四つ。 椅子は全部バラバラで、それでも毎晩満席だった。 「また来るよ」と言ってくれる人がいた。 その言葉が、次の日の火をつけてくれた。 関連記事・インタビュー 関連する記事・インタビューはありません。